国土交通省と厚生労働省は7日、「居住支援全国サミット」を建築会館ホールにて開催した。
基調講演では、中央大学法学部教授の宮本太郎氏が「2040年に向かう居住支援のビジョン 地域型居住をいかに実現するか」をテーマに講演。居住支援の方向性について「弱い立場の人を保護すること、施設に入居してもらうこと、というのが従来の流れであったが、これからは保護ではなく元気になってもらうこと、地域型居住(住み慣れた地域の中で必要なサポート等を受けながら住まうこと)を促進することが重要な支援となる」と指摘。そのために必要な緊急施策として、持ち家や民間賃貸住宅の居住者を地域型居住に接近させること、施設の措置控えを解消して、地域との接点を広げて孤立・困窮を解消すること、無料低額宿泊所や無届けホームについて、居住の場としての質を保障することを挙げた。
厚生労働省・国土交通省の担当者による、居住支援施策についての動向の解説をはさみ、(一社)高齢者住宅財団顧問・高橋絋士氏のコーディネートによる居住支援をテーマとするパネルディスカッションを開催。秋田県横手市、鹿児島県鹿児島市の担当者が、それぞれの自治体における居住支援の取り組みを詳しく紹介。続いて、シングルマザーの居住支援を行なうNPO法人リトルワンズ、ホームレスを中心に居住支援しているNPO法人抱樸の代表者が、それぞれの団体の取り組みを紹介。事業を良好に進捗させるためのポイント、事業永続化に向けての収益確保手法などについても語った。その後意見交換なども行なわれた。
『R.E.port』より抜粋
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