国土交通省は29日、平成31年度の予算概算要求を発表した。
一般会計予算は6兆9,070億円(前年度比1.19倍)。一般会計のうち、「新しい日本のための優先課題推進枠」が1兆5,796億円、公共事業関係費が6兆1,736億円(同1.19倍)、非公共事業が7,334億円(同1.17倍)。東日本大震災復興特別会計が4,577億円(同1.00倍)、財政投融資が1兆4,612億円(同0.43倍)。
住宅局関連では、平成30年7月豪雨による被害等を踏まえ、災害等に強いまちづくりの支援として密集市街地総合防災事業(78億円)、防災・省エネまちづくり緊急促進事業(91億600万円)等を要求。
空き家対策の強力な推進を目指し、空き家対策総合支援事業(40億円)、空き家対策の担い手強化・連携モデル事業(5億円)と、前年度比より増額した。マンション管理適正化・再生推進事業(2億600万円)等で、既存ストックの有効活用・市場の活性化を目指す。
地域居住機能再生推進事業(462億円)、スマートウェルネス住宅等推進事業(305億円)、重層的住宅セーフティネット構築支援事業(12億3,700万円)等により、若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らせる住生活の実現を図る。
また、消費税率引き上げに伴う需要変動への対応も予算編成過程で検討するとした。
土地・建設産業局関連では、空き家・空き地の流通活用の促進に1億3,000万円。6月に成立した「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」を受け、地域の課題に即した実務的な権利者探索の手引きの作成や、新たに創設された地域福利増進事業に係る先進的な取り組みへの支援とノウハウの地域への普及を促進するため等の予算として9,800万円を設定。民泊管理業の健全な発展に係る環境整備に前年度比2倍の3,000万円を充てた。
また、健全な賃貸住宅管理業および個人の不動産投資の促進に向けた環境整備に1億1,500万円を新規で設定。賃貸住宅管理業者のルール強化や、賃貸住宅管理業者登録制度への未登録業者の登録促進に向けた環境整備を行ない、賃貸住宅管理業の適正化を図る。また、個人の不動産投資に関する調査・検討を進めるなど、個人投資家による適切な投資判断および投資を行なうことができる環境を整備することで、サブリースのトラブルを含む個人投資家の被害等を可能な限り防止するとともに、金融技術の進展等を踏まえた適切な投資判断を促進し、質の高い投資を促進する。
そのほか、不動産情報における官民連携に向けた環境整備予算として1億4,000万円を充てた。民間保有情報の活用に向けた課題整理や官民連携のあり方を検討。データの整備を実施し、賃料・利回りに関する指標の検討・開発を行なう。また、REINS等に蓄積された過去データの参照や、住宅履歴情報などと相互に連携するための「不動産ID」の構築など情報蓄積の統一的なルール等を検討。宅地建物取引業者が各データにアクセスできる仕組みの構築に向けた検討を行なう。
『R.E.port』より抜粋
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